5.接客トラブル発生 ― 10

「姫、耳、弱いよね」
「ちょっと、宮部……」
「気持ちよくしてあげる」
頭の後ろでそう言うと、宮部は私のおなかに回していた手を上にずらし、両胸を包み込んできた。
「あっ」
「姫のここ、柔らかくて好き」
両胸をやわやわと揉みながら、耳元で囁く。
宮部が喋るたびに耳に息がかかり、それだけでも感じてしまう。
そのうえ、両胸を同時にさすったり揉んだりされて、あっという間に先端が尖ってしまった。
それを、宮部が見逃すはずもなく。
「ほら、ここ、固くなってきた」
ブラウスの上から、その固くなった部分だけをつまむ。
「あぁっ」
「これがいいんだ?」
「ちがっ」
否定の声は無視され、宮部はその尖った先端だけを執拗に弄る。
「んふぅっ……」
快感を逃がそうと吐いたため息は、喘ぎ声のようになってしまい、宮部は背後から私の首筋に舌を這わせ始めた。
「あはぁっ……」
ゾクゾクと快感が走り、身体の奥にも火がつく。
「服、邪魔だな。姫も、じかに触った方が気持ちいいでしょ?」
言うが早いか、宮部はブラウスのすそから手を入れてきた。
下着をどけて、直接、尖った先端をつまんでくる。
「あぁっ……、やぁっ……」
身をよじって逃げようとするけれど、本心は悟られている。
「気持ちいいくせに。強がらないで、もっと素直に感じてよ」
宮部は、尖った先を指の先で転がしたり、弾いたり、ボタンを押すようにくぼませたり。
そのたびに、ビクビクと体が反応する。
先端をつまんだかと思うと、ふくらみ全体も揉みしだかれ、どんどん昂ぶっていく。
あぁ、身体が熱い……。
「ハァッ、ハァッ……、宮部……」
息も荒くなり、次々と繰り出さる快感に、なにも考えられなくなる。
「ん? 胸だけじゃ足りなくなってきた?」
宮部はすぐに、右手を下におろして、スカートの中に忍ばせてきた。
「あんっ!」
「フフ、もう濡れてる」
ストッキングの上から触れただけで、しっとりと湿っているのがばれてしまったらしい。
「こんなに感じてるんだ?」
「やぁっ……」
「こっちも直接触ってほしい?」
本音はその通りだけど、恥ずかしくてそんなことは言えない。すると。
「でも今日は、じっくり攻めたいから、もう少しおあずけ」
そんなイジワルを言って、下着の中には手を入れてこない。
ストッキングの上から、縦になぞったり、円を描くように揉んでみたり。
でも昂ぶるほどに、そんな愛撫だけじゃ、もの足りなくなってくる。
「ねぇ、宮部……」
懇願するように名前を呼ぶと、クスリと笑う気配がして「しょうがないな」と、そっとあおむけに引き倒された。

私の上に覆いかぶさってきた宮部は、ブラウスをまくり上げて胸をあらわにし、右手はさっきと同じようにスカートの中を愛撫しながら、舌で胸を愛撫し始める。
「はぁんっ!」
舌先で転がされる快感に、思わず大きな声をあげると、顔を上げた宮部にニヤリと笑われてしまった。
「このあいだは、じっくり姫を味わう余裕がなかったら、姫のそういう反応、新鮮だな」
「やだ、もう……。ねぇ宮部、電気消して」
正面に宮部の顔が見えるようになったとたんに恥ずかしさが倍増して、そう頼んだ。
でも。
「やだよ。姫の体、よく見たい」
「お願い、恥ずかしいから」
「大丈夫。すぐに、恥ずかしさなんか忘れされてやるよ」
悪魔のように微笑んだ宮部は、今度は、スカートの中のストッキングと下着を一気におろした。
小さな布きれを足から抜き取った宮部は、スカートをまくり上げて、そこに顔をうずめる。
「ひぁっ!」
いきなりむしゃぶりつかれ、反射的に逃げようとすると、がっちりと足をとらえられた。
男の力にかなうはずもなく、舌をねじ込まれる快感に、声をおさえられない。
「あぁーっ! あっ、あっ、あっ、ヤダッ、ダメッ」
舌を出し入れされて、一気に昇りつめそうになり、腰をひねって逃げようとするけれど、両腕でホールドされて動けない。
一度顔を離した宮部は、そこに、ふぅっと息を吹きかけた。
「はぁっ、イヤァ……」
「気持ちいいんでしょ? イッていいよ」
そう言うと、宮部は襞をめくり、快感で膨らんだ、最も感じるところに舌を触れてきた。
「やぁぁっ、そこ、ダメーッ」
ツンツンと突いたり、全体を口に含んだり、さらに指も使って愛撫され、あっという間に昇りつめてしまった。
「はぁぁーーーーっ!」

背中を弓なりに反らせて達した後、ぐったりと身体を床に沈ませると、宮部は私の身体をベッドに運んだ。
そして、動けずにいる私の身体にまとわりついていた服の残骸をすべて剥ぎ取り、自分も裸になる。
ベッドを軋ませて、私の上に覆いかぶさってきた宮部は、ニヤリと微笑んだ。
「姫、平気?」
視線だけでうなずくと、顔にかかった髪をよけてくれて、口づけてくる。
「んっ……」
舌を絡ませ合っているうちに、甘美な情熱が再び燃え出す。
唇を離した宮部の顔を息を弾ませながら見上げていると、宮部は固くなったものを私の下腹にあてがい、こすりつけてきた。
「もう、欲しい?」
じんじんと欲求を訴えている身体にさからえず、コクンとうなずく。
その瞬間。